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最高裁判所第一小法廷 昭和48(ク)105 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理 由

抗告代理人盛川康、同横谷瑞穂の抗告理由一について。

借地法八条ノ二第二項に規定する借地条件の変更の裁判は、増改築を制限する旨

の借地条件が存する場合において、土地の通常の利用上相当とすべき増改築につき

当事者間に協議が調わなかつたときに、裁判所が借地権者の申立によりその増改築

についての土地所有者又は賃貸人の承諾に代わる許可を与えるものであり、裁判所

は、借地権の残存期間、土地の状況、借地に関する従前の経過その他一切の事情を

考慮して、当事者の意思に拘束されることなく、土地の合理的な利用のため、後見

的立場から合目的的に裁量権を行使して裁判し、当事者間の利益の衡平を図るため

必要があるときは、借地条件の変更、財産上の給付、その他相当な処分を命ずるも

のであつて、その性質は本質的に非訟事件であるから、公開の法廷における対審及

び判決によつてする必要はない。このことは、当裁判所昭和三六年(ク)第四一九

号同四〇年六月三〇日大法廷決定・民集一九巻四号一〇八九頁、昭和三七年(ク)

第二四三号同四〇年六月三〇日大法廷決定・民衆一九巻四号一一一四頁、昭和三九

年(ク)第一一四号同四一年三月二日大法廷決定・民集二〇巻三号三六〇頁の趣旨

に照らして明らかである。従つて、公開の法廷における口頭弁論に基づかないでな

された原決定に憲法三二条、八二条違反の違法はない。その余の点に関する所論は、

原決定の違憲を主張するものではないから、適法な抗告理由にあたらない。それゆ

え、論旨は採用することができない。

同二について。

論旨は、憲法二九条違反をいうが、その実質は、原決定における裁量の不当ない

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し単なる法令違反を主張するにすぎないものであつて、民訴法四一九条ノ二第一項

所定の適法な抗告理由にあたらない。

よつて、本件抗告を棄却し、抗告費用は抗告人に負担させることとし、主文のと

おり決定する。

昭和四九年九月二六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 藤 林 益 三

裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 下 田 武 三

裁判官 岸 盛 一

裁判官 岸 上 康 夫

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